top of page

【お知らせ】『5歳児構音相談員(仮称)』について

1 時間前
読了時間: 7分

一般社団法人ことばサポートネットでは、5年間にわたって「子どもの構音障害」の啓蒙活動に取り組んできました。

「構音(こうおん)」とは、ことばの「音」を作ることを指し、発音や滑舌とほとんど同じ意味です。

「構音障害」とは、何らかの原因で正しい構音が難しい状態で、 原因としては聴覚障害や脳梗塞、口腔がん、口蓋裂などの病気がありますが、特に原因のない構音障害(機能性構音障害と呼ばれます)もあります。

子どもにももちろん脳梗塞などが原因の構音障害(運動障害声構音障害と呼ばれます)は起こりますが、健診担当者や園の先生などがよく会うのは、原因が明らかではない「機能性構音障害」と口蓋裂等の先天性疾患を原因とする「器質性構音障害」です。

病気や怪我などが明らかになっている場合にはすでに医療機関等につながっていることがほどんとなのですが、 原因のない場合や病気が隠れているような場合には健診担当の保健師・心理職・医師、地域の歯科医師、普段通っている園の先生が頼りになります。

他の発達面には何も心配事がないからこそ、「様子を見ましょう」と見過ごされてしまい、成長してから「実は鼻咽腔閉鎖機能不全※だった」「異常構音※(独特な歪んだ音)で長年思い悩んできた」と、支援に繋がれずにつらい思いをするお子さんやそのまま大人になった方が今もいらっしゃいます。


※鼻咽腔閉鎖機能不全:先天的な病気のために鼻から息が漏れてしまい、構音障害の原因となる。

※異常構音:日本語にはない音、書き表せない歪んだ音で自然に改善しにくい。

 

「様子を見ていい?」「何を基準に判断する?」発音評価の難しさ

また、保育園・幼稚園の先生方や、5歳児健診に携わるの保健師・心理職などの専門職の皆様から発音の心配事がある場合の対応についてご相談を受けることがあります。

例えば、

保護者の方から

「うちの子、まだ発音ではっきり喋れない音があるんです…」  

「『サ行』がうまく言えないのですが、このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか?」

などのご相談を受けた場合のご対応や、

「保護者の方はそんなに心配していなもののやはり受診を勧めた方がいいように思うが、どう説明すると良いか・・・」

というような場合もあります。

現場で子どもたちと向き合う中で、 「様子を見て大丈夫なのか」 「専門機関(言語聴覚士や医療機関)に繋ぐべき状態なのか」 の判断に迷い、もどかしさを感じたご経験をお話ししてくださる先生方に、たくさんお会いしてきました。  

発音の問題は、適切な時期に適切なアセスメント(評価)を行い、必要なサポートに繋げることが大切ですが、

「客観的な指標があまり知られていない」

「判断の根拠を自信を持って保護者に説明しづらい」

という課題が存在しています。

また、言語聴覚士やことばの教室を担当する教諭であっても、異常構音等の知識の整理や、構音障害の聞き取りについてトレーニングを受けることができる機会は非常に限られている場合もあり、自信を持って発音の不明瞭さを持つお子さんに対応するための講習会のご要望を多数いただいている現状があります。

 

これまでの歩みと全国への広がり

 

こうした現場の課題を解決するため、私たちは昨年度、皆様からの温かいご支援をいただき『5歳児の発音チェックシート』および『5歳児の発音評価ガイドブック』を制作し、無料公開いたしました。

特に、5歳児健診に関わっている専門職の方からは、こども家庭庁発行のマニュアルをもとに健診にあたる中で出てきた具体的な心配事、例えば、

・「カ行」と「サ行」では定型発達における完成時期が違うが、マニュアルでは同じように扱われている。どう判断すべきか?

・地域の医療資源が限られる中、どのケースを言語聴覚士や医療機関へ繋ぐべきなのか?

などのご相談を受けました。

これを受けて、これらの判断をサポートするツールの作成と無料公開を目指し、皆様のおかげで実現することができました。

※無料公開ページはこちらです

 

完成時には、地域保健ウェブ様のご協力をいただき、主に保健師の方向けの報告会も開催いたしました。https://www.chiikihoken.net/news/2026/07/24/15154

 

報告会では、実際に構音障害をお持ちの方の音声を聴いていただく機会を設けたことで、「理解が深まった」とのお声をいただきました。

また、チェックシートやガイドブックの活用実習を行う中で、現場での利用が簡単そうだとのお声をいただくこともできました。  

現在、このツールは全国の自治体や健診現場(大阪府富田林市など)で導入が始まっています。

「保健師問診の際、わずか30秒〜1分ほどでスムーズに実施できた」「それまで保護者も気づいていなかった発音の課題を客観的に確認できた」「職員間で対応基準をマニュアル化できた」といった感想もいただいています。

また、2026年6月の「第27回日本言語聴覚学会(広島)」シンポジウムにおいても、本チェックシートの実践・活用状況について発表を行い、たくさんの励ましのお声や活用のご報告をいただきました。

 

この先に繋げるために 

 

幼児期に出会った専門職の方が、確かな知識に基づいて相談に乗ってくださることが、何より大きな力になることため、確かな知識と技術を身につけていただく方が一人でも増えるように、「5歳児の発音評価ガイドブック」および「5歳児発音チェックシート」に準拠した認定資格、『5歳児構音相談員(仮称)』を創設することにしました。

この認定資格により、以下のようなことが実現できると考えています。

 

①発音の心配事のあるお子さんにとっては

 ・必要な場合には専門職による支援につながりやすくなる

 ・発音が不明瞭であることによるからかいや指摘から守ってくれる大人が増える 

②健診や保育教育現場の保健師・心理職・保育士・言語聴覚士等の専門職の方にとっては

 ・確かな知識と簡易評価の技術を身につけ、自信と根拠を持って保護者への説明ができるようになる

 ・発音が不明瞭なお子さんや保護者への対応について自信が持てるようになる 

 ・言語聴覚士であっても追加の資格を持つことで、幼児の構音に関する専門性の証明とすることができる

③発音の訓練を担当している言語聴覚士やことばの教室の先生、医療機関等の関係者にとっては

 ・専門職にかかる必要性を理解する方が増えることで、必要な場合に専門機関等へ繋がりやすくなる

 ・専門職不足の中、本当に構音訓練などの言語療法が必要なお子さんや医療機関受診が必要かもしれないお子さんが適切に支援につながることで貴重な医療資源等の有効活用につながる

 

予定している講習等の内容は、

 ⚫️ 発音不明瞭なお子さんへの対応とチェックすべきポイント

 ⚫️ 幼児期の定型的な発音の育ち、子どもの構音障害について

 ⚫️ 医療機関受診の必要性を検討する所見

 ⚫️ 言語聴覚士(ST)等の専門相談に繋ぐべき所見

 ⚫️ 異常構音や見過ごされやすい構音障害について

 ⚫️ 発音の簡易評価の実習

などです。

これらを学んでいただいた上で認定試験を実施し、合格の方には認定証を発行します。

認定資格を取っていただくことで、5歳児健診や園の面談等での発音の相談に対し根拠を持ってご対応いただくことができるようになることを目指します。


この資格創設について意義を感じてくださる方がいらっしゃいましたら、応援していただけませんでしょうか。

一緒に活動してくださる方も随時募集しています。

資金調達のため、クラウドファンディングも開始いたしました。

クラウドファンディングで先行して割引受験料をお支払いいただける方がいらっしゃいましたら、リターンとしてこの認定資格を無料で受講・受験していただけることなどをご用意しておりますので、一度ご覧いただけましたら幸甚です。


クラウドファンディングのページはこちらです。


応援、シェア、ご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。

 


 

ことばサポートネット関連サイトのご案内

・公式ウェブサイト https://www.kotoba-support-net.org/

・Instagram(講座案内用)https://www.instagram.com/kotoba_support_net.st/

・X(旧Twitter) https://twitter.com/kotoba_support


新規ブログ公開時のメールをご希望の方は、こちらから会員登録をお願いします


bottom of page