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ことばの相談だより~発音と向き合ってこられたCさん(成人)のおはなし~

はじめに

ことばの相談では、成人の方からの相談もお受けしています。

今回ご紹介するのは、お仕事での出張も多く、ご多忙な日々を送っていらっしゃるCさんです。


ご相談の内容

ご本人は、子どものころから発音のしづらさを感じており、これまでご自身で発音に関する本を読んだり、トレーニングを重ねたりしながら、長い年月をかけて試行錯誤をされていらしたものの、特にサ行とタ行についてはどうしても歪みが残る感覚があったそうです。

ご本人は、側音化構音があることを自覚されていましたが、

「自分での練習では、これ以上どう改善すればよいのかわからない」

「専門的に見てもらえる場所がなかなか見つからなかった」

という思いを伝えてくださいました。

お仕事の調整が必要な中でも、「一度きちんと見てほしい」とご相談に来られたことは、ご本人にとって大きな決断だったと思います。


Cさんとの練習の様子

側音化構音とは、息や音が口の中央ではなく横から抜けてしまうことで生じる、独特な発音の歪みをいいます。 「いきしちにひみいり」などの特定の音が、「き」や「ぎ」が口の中にこもったような独特な音になります。(参考:「構音障害の臨床」阿部雅子著)  

練習では、舌の力を抜いて、舌の中央に適切に呼気を通す感覚を身に着けていただくところから始めました。

約一年の練習を経て、単語や文レベルでは安定した発音が可能になり、日常会話の中でも正しい音が使われる場面が増えてきました。

ご本人は、「長い発話になると聞き返されることもあるが、注意して言い直せば伝わるので自信がついてきた」とお話しされています。

発音の改善では、「音をつくれるようになる段階」から「自然に使える段階」へ進む過程が、周囲の方が想像する以上に大変なことがありますが、適切な練習を継続することで、着実に変化していきます。


STからのひとこと

今回のように、ご自身の努力を長年積み重ねたうえで、さらに一歩前に進もうとされる姿に、私たちも大きな敬意を感じています。

「変える」ことも、「そのままでいる」ことも、どちらも尊重されるべき選択ですが、その方が安心して、ご自身のことばで伝えられるよう、これからも丁寧に支援を続けていきたいと思います。



このシリーズは、実際の利用者様の経過に基づいて国家資格を持つ言語聴覚士が執筆しておりますが、利用者の方のプライバシーを最優先に考え、特定の個人が推測されないよう、複数の類似症例を統合したり、背景設定を変更したりして構成しています。ご紹介する経過や結果は、あくまで当法人で実施している実際のオンライン言語療法に基づいた一例として参考にしてください。


当法人は、発音やことばに関して悩み事があるけれど


・どこに相談したら良いか分からない...

・近くに言語聴覚士のいる機関がない...

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