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活動報告:音環境の専門家との言語室視察

 音響の専門家である船場 ひさお先生 (一般社団法人 こどものための音環境デザイン代表理事、駿河台大学メディア情報学部 教授)、野口 紗生先生 (一般社団法人 こどものための音環境デザイン 浜松学院大学 地域共創学部 地域子ども教育学科 講師)のお二人と一緒に、医療機関の言語外来を見学致しました。


吸音材を確認している様子

 また、騒音や残響時間の測定も実際に行っていただき、より効果的な吸音素材の配置や安価でできる音環境向上のための工夫、より聞きやすいSTと利用者さんの配置などについても教えて頂きました。


 言語室の環境は施設によりさまざまかと思いますが、赤ちゃんなど小さなお子さんが来ることのある言語室では、泣き声が響いてしまって余計に泣いてしまうお子さんがいたり、保護者の方とのお話に支障があったり、雑音が気になって課題から注意がそれてしまったりという事もあるかと思います。

 また構音訓練を行う場では、わずかな鼻雑音や二重構音など、小さいけれどSTやことばの教室の先生にとっては重要な音もあります。


 船場先生には、12月に言語聴覚士やことばの教室の先生方に向けてお話をしていただく予定もあり、実際に鼻咽腔閉鎖機能不全や異常構音、未熟構音のある方に対する言語療法を行っている場面もご覧いただいたほか、鼻息鏡やナゾメーターにも触れていただきました。


ナゾメーター

 船場先生には以下の内容でご講義頂く予定になっています。

 受付開始となりましたらブログ、peatix等でお知らせ致します。


〈講座概要〉

タイトル:「園や学校に関わるSTのための子どもの音環境のおはなし」

■開催日時:日程:2025年12月12日(金) 20:00〜21:30

■場所:オンライン

■講師紹介

駿河台大学 メディア情報学部 教授 船場ひさお先生

一般社団法人こどものための音環境デザイン 代表理事

博士(芸術工学)/保育士

栃木県さくら市出身。

九州芸術工科大学 芸術工学部 音響設計学科卒。

千代田化工建設株式会社などにおいて多数の公共空間の音環境デザインを担当の後、九州大学大学院 芸術

工学府 芸術工学専攻 博士後期課程 修了。

音環境のユニバーサルデザイン、建築音響、騒音制御を専門とする。

博士(芸術工学)の学位を得た後、フェリス女学院大学 音楽学部 音楽芸術学科 専任講師、岩手大学COC推

進室 特任准教授、横浜国立大学 地域連携推進機構 客員教授などを経て、現職。

こども施設の音環境設計、音や音楽と地域デザイン・地方創生、家電製品の音づくりなどの研究・実践に取り組む一方、2020年3月3日の耳の日に一般社団法人こどものための音環境デザインを設立。こどもも保育者もストレスなく過ごせる音環境づくりを目指し、保育者研修やワークショップの開催などの活動を展開している。

また、日本フィルハーモニー交響楽団が進める「被災地に音楽を」東北の夢プロジェクトのサポーターや、誰かに聞かせたい“花巻の音風景”プロジェクトのアドバイザーなどを務め、岩手県を中心に東北での音楽・音環境デザイン活動にも積極的に関わると共に、首都圏の学生と岩手県内の市町村をつなぐプログラムも進めている。


■対象:

・保育所・学校等の巡回相談に関わる言語聴覚士

・お子さんに関わる言語聴覚士、ことばの教室の先生

・園や学校、放課後等デイサービス、児童発達支援施設、子育て支援センターなどでお子さんの育ちに関わる方も是非ご参加ください


■内容紹介

園や学校の巡回相談で、こんなご経験はありませんか・・・?

● 音の刺激が落ち着きのなさにつながっていそう

● 一対一だときちんと理解できているのに、ホールに入ると途端に理解のむずかしさが目立つ

● 聴覚過敏がありそうだけれど、具体的な対策が取りづらい

こういった場面に出会ったとき、原因は様々で、職員や保護者にできることを言語聴覚士の立場から一つ一つ考えていくのが私たちの仕事になりますが、

中には、「音環境」に目を向けることで、具体的な支援につながる糸口を見つけられる場合があります。

今回の講座では、言語聴覚士として知っておきたい音環境に関する音響学の側面からの基礎知識をご解説い

ただきます。

学生時代以来、音響学に触れる機会がなかったという言語聴覚士も多数いる現状をお伝えして、今回はわかりやすく基礎から教えていただきます。

そのうえで、園など集団の場で、実際にどのように音環境がお子さんの過ごしやすさや育ちに影響を与えているのか、最新のご研究をもとに教えていただきます。

私たちが園や学校の巡回相談で何をみるべきなのか、どんな対策ができるのか、明日からの巡回相談で活か

すことのできる具体策をご教授いただく予定です。

園や学校で働く言語聴覚士の皆様や、ことばの育ちを支える仕事をしている先生方にお役立ていただけましたら幸いです。


【ことばサポートネットの情報はこちらから】


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