ことばの相談だより〜学校のことばの教室の利用が難しかったFさん(小1)のおはなし〜
はじめに
年長の秋に行われた就学時健康診断で発音の誤りを指摘され、学校のことばの教室(言語障害通級指導教室)の案内を受け取ったFさん。
ことばの教室へ通うことが難しいことから、当法人のオンライン発音練習を希望され、ことばの相談をご利用くださいました。
ご相談の内容
Fさんは当時年長さんだった女の子です。
以前から発音が幼いような印象がありましたが 、ご両親はそれもFさんの魅力の一つと捉えており、特に心配はされていなかったそうです。
しかし、就学時健康診断で発音の誤りを指摘され、学校のことばの教室の利用を勧められたことをきっかけに、ご相談くださいました。
Fさんの地域のことばの教室事情
Fさんが入学する予定の学校にはことばの教室が設置されていなかったため、車で15分ほどの距離にある学校に設置されていることばの教室を案内されました。
Fさんが通級による指導を受ける場合には基本的には火曜日3時限目の国語の時間になるとのことで、ことばの教室への送迎のためには保護者はその時間に合わせて仕事を休む必要がありました。
また、Fさん自身もことばの教室の授業とその前後の移動を合わせると、2時限目が終わった後の長めの休み時間〜4時限目の途中まで授業を抜けることになります。
ご両親は発音練習の必要性を感じていたものの、できれば通常授業へ参加してほしいという気持ち※があり、また、毎週決まった曜日・時間に送迎のための時間を確保することも、共働きのご家庭にとっては難しいことだったそうです。
※ことばの教室を利用するお子さんが通常授業へ参加できなくなることでお子さんが不利益を被らないように、学校ではさまざまな配慮が行われております。この記事は、あくまでもFさんのモデルとなったお子さんのご両親からお気持ちをお伺いした事実を元に記載しています。ご心配な点は、ぜひ学校の先生にご相談いただくことをお勧めします。
Fさんとの練習の様子
Fさんの発音には、カ行・ガ行の音がタ行・ダ行の音に置き換わる誤りがみられました。このような発音の誤りは「未熟構音」と呼ばれるものです。
※未熟構音についてはこちらをご参照ください
現在は月3回、固定した曜日の夕方にオンラインで発音練習を行っています。
毎回、保護者の方にもご同席いただき、ご家庭での宿題にも熱心に取り組んでいただいています。
その成果もあり、少しずつきれいな音でお話しできることが増えてきました。
お母さまからは、発音の変化だけでなく、さまざまな場面におけるFさんの変化についてお話を伺っています。
先日の運動会では、大きな声で「がんばれー!」とお友達を応援することができたそうです。お母さまは、これまでFさんがお友達を大きな声で応援する姿を見たことがなかったそうで「もしかしたら『がんばれ』の『が』をうまく言えないことを気にしていたのかもしれない」と教えてくださいました。
発音が少しずつ変わっていることが、Fさんの「声を出して伝えること」への自信にもつながっているのかもしれません。
STからひとこと
就学時健康診断で発音の誤りを指摘され、「小学校に入ってから大丈夫かな」と不安になったというご相談をいただくことがあります。
学校のことばの教室は、毎日通っている学校にある場合もあれば、Fさんのように、他校への保護者による送迎が必要な場合もあります。ことばの教室の先生が巡回して各校に来てくださる地域もあります。
また、利用できる時間についても、Fさんのように、週に一回国語の時間、という場合もあれば、放課後などの通常授業が行われていない時間以外に利用が可能な場合もあります。
地域や学校によって仕組みはさまざまで、学校の先生と相談することで解決することもたくさんありますので、ことばの教室の利用を案内された時にご心配なことがあれば、まずはお子さんにとって一番良い方法を学校の先生に相談していただければと思います。
今回は、選択肢の一つとして、オンラインでの発音練習を検討され、当法人で言語聴覚士による発音練習を頑張ってくださっているFさんを紹介いたしました。
必要があっても学校のことばの教室の利用や近隣の施設の利用が難しいような場合には、オンラインでの発音練習も上手に活用することで、ご本人にとって大切な小学一年生の学校生活がより楽しく、実りの多いものになりましたら嬉しく思います。
実際の利用者様の経過に基づいて国家資格を持つ言語聴覚士が執筆しておりますが、利用者の方のプライバシー保護のため特定の個人が推測されないよう、複数の類似症例を統合したり、背景設定を変更したりして構成しています。ご紹介する経過や結果は、あくまで当法人で実施している実際のオンラインことばの相談・言語療法に基づいた一例として参考にしてください。

当法人は、発音やことばに関して悩み事があるけれど
・どこに相談したら良いか分からない...
・近くに言語聴覚士のいる機関がない...
・待機期間が長い状態になっている...
・年齢制限のために言語療法が受けられない...
などの場合にも、どなたも言語聴覚士に繋がりやすい社会を目指して活動を行っています。
お住まいの自治体で受けられる支援制度をできるだけ活用しやすいよう、できる限り対応いたしますので、ご心配なことがあればいつでもご相談ください。
当法人のオンライン言語療法をご検討の方は、まずはオンラインの無料相談へのお申し込みをお願いいたします。
言語聴覚士が問診・検査等を行った上で、言語療法の必要性の有無などについてもご相談をお受けしています。
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