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開催報告:1~3歳ことばの相談・臨床実践講座~”ことばがゆっくり”なお子さんの初回相談~ 質問会

 2025年6月7日 言語聴覚士の藤森めぐみ先生を講師にお迎えして、

1~3歳ことばの相談・臨床実践講座~”ことばがゆっくり”なお子さんの初回相談~ 質問会 を開催しました。

 ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。





 当日は、古山慎治先生の進行のもと、レクリエーションも交えながら和やかな雰囲気で参加型の相談会が行われました。

 藤森先生には、参加者からの以下のようなご質問にたくさんの具体例を交えながらお答えいただきました。相談にいらっしゃった保護者の方やお子さんに対し、真摯に、そして深い情熱と愛情をもって接する藤森先生の臨床の様子が想像できるような時間だったのではないかと思います。課題・疑問解決に向けての具体案はもちろん、これから自分で考えていくためのヒントもたくさんいただけ、とてもありがたい時間になりました。


*** ご参加の方からいただいたご質問の例 ***


  • 音韻意識が成熟するのは4歳以降と言われていますが、実際に音韻課題に取り組むのは何歳頃からが適応でしょうか(年少になった頃から音韻を意識させた方がよいか)?また、発達が4歳以前のレベルで出来る音韻の課題はどのようなものか。


  • ことばを全く話さない3歳の自閉症のお子さんに対して、どのような課題を行うのがよいでしょうか。着席は難しく、立ったまま、2ピースパズルなどの実施は可能ですが、こちらの指示での実施は難しく、自分のやりたいときに行っています。プットインはできる時はあるのですが、おはじきで実施時は、ぶつかる音を楽しんでいて、プットインは行えませんでした。おもちゃを投げたり落としたりします。S-S法の段階2-1は不通過です。WISCのIQは50台です。


  • 年中、年長さんへの対応になりますが、癇癪を起しやすい子が集団の中で「怖い子」というレッテルがはられないようできる工夫・働きかけがあれば教えてください!


  • 小学生で困った時に困ったとか助けてと言えないお子さんがいます。ヒントカードがあると困ったと言えるのですが、生活の中で「困った」「助けてほしい」ということが難しく、担任の先生は自分で伝えてほしいと言っています。どのように支援していったらよいか教えていただけたらと思います。


  • 保護者から、出かけ先で勝手に走り回っている、園でも椅子に座れなくて困る、という相談を受けることが多くあります。

    ご家庭でできることなどをお伝えするとしたら、どのようなアドバイスがあるでしょうか?(3〜5歳)



 藤森先生は千代田区立子ども発達センターや東久留米市わかくさ学園などでお子さんに対する言語療法に携わる傍ら、言語聴覚士として、巡回アドバイザーや外部顧問としてもご活躍されています。

 教育現場、保育所等多様な施設での支援経験があり、広い視野で、今だけでなく将来まで考えてこどものことばに向き合ってくださる先生です。


 今回は、若手の指導経験が豊富で多面的な視点を持ち、とても丁寧な臨床をされている藤森先生に講師役をお願いしましたが、藤森先生のお答えが、もちろんすべてではなく、10人の先生方に伺えば、10通りのお答えがあると思います。


 とはいえ、特に若手の言語聴覚士にとっては、個室で行われている「ことばの相談」で疑問がわいた時にベテランの先生方がどのように対応されているのか知ることができる機会は非常に限られているのが現状な中、今回の質問会で、一つでもヒントを得ていただき、翌日からの臨床に少しでも活かしていただけていましたらと思い企画いたしました。

 地域の勉強会等への参加が難しい子育て世代の先生や、地域でのつながりがまだ持てていない若手の先生などのお役に少しでも立てておりましたら幸甚です。


 以下、ご参加の方からのご感想を一部ご紹介いたします。

 アンケートへのご協力、誠にありがとうございました。


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  • レジュメなどではあまり載せないような細かなニュアンスを詳細にお答えいただいていたので、とても現場でのイメージがつきやすかったです。また、いろいろな先生方のお話を 聞くと自分はちゃんとアセスメント・支援できているのか不安になりますが、具体的にこういうことを意識して関わるということを聞けて、自分の方針は間違っていなかったのだと自信にもなりました。


  • 貴重なご講義ありがとうございました。質問にも答えていただきました。実践につなげ、より良い支援に繋げられるようにしていきたいと思います。実際のカード等見せていただき、とてもわかりやすいご説明を本当にありがとうございました。


  • たくさんの質問に答えていただきありがとうございました。臨床での楽しそうな雰囲気が伝わってきました。取り組みの方針についてもどこにフォーカスしていくか、地道だけど大切な声のかけ方などを改めて学ぶことができたと思います。


  • 個別の回答が具体的で助かりました


  • 参加者の方からのご質問は自分自身の日々の臨床と重なるものばかりでした。限られた情報の中から回答されるのは大変なことだと思うのですが、すぐに臨床に活かせるような具体的な内容を、根拠と共に教えていただいたので、たいへん参考になりました


  • このたびは丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。臨床にすぐに活かせる学びが多く、大変有意義な時間となりました。藤森先生のご経験と知識に基づくお話を直接伺うことができ、とても良かったです。今後も、藤森先生によるご講演などの機会があれば嬉しく思います。


  • 言語聴覚士としての専門性や経歴、価値観は人それぞれ異なるものだと思います。そのため、自分とは異なる視点を持つ先生に質問し、お話を伺うという経験は非常に勉強になりました。自分の視野が広がる貴重な機会となりました。


  • 本日は本当にありがとうございました。非常に非常に有り難く、勉強になった時間でした。多岐にわたる質問に熱心に答えていただき、本当にありがとうございました。


  • 参加者の皆さんの臨床場面での悩みに対して、具体的に、例を多く挙げて解説して下さり、大変勉強になりました。


  • 児発勤務のSTです。今回とても有意義な時間でした。質問者の皆さんのケースを拝見するたびに「あぁ、◯◯くんみたいだな」と共感したり、藤森先生のお話を伺って夢中でメモを取りました。普段、他の職員(指導員さん)があれもこれもと課題をやらせているのを見ていると、その子の世界に入って名前のない遊びで遊んでいる自分は何もできていないように感じて(保護者の方への連絡帳を書いていると特に)少し不安になっていましたが、笑顔が見えたりこちらへの注目や働きかけがあることは、この子の発達に必要なんだと自信を持とうと思えました。


  • 参加させていただいて本当に良かったです。とても濃い2時間のセミナーでした。メモをとるのに必死であまりリアクション出来ませんでしたが、気になっていたことを沢山ご説明いただいて大変勉強になりました。


  • ST歴は一応15年を超えていますが、小児分野はまだビギナーです。今回聴講のみの参加でしたが、皆さんが同じような悩みを持たれているということが分かったのもよかったです。


  • 冒頭のアイスブレイク(リアクションボタン)は、操作に不慣れな私にはありがたかったです。


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☆このイベントの録画配信はございません。


☆講座中に案内のありました「運動・音韻」の苦手さを両輪でとらえる臨床実践~発音不明瞭なお子さんの支援~ につきましては、現在録画公開中です。

ご興味のある方はどうぞご利用ください。


 詳しくはこちら

お申し込みはこちら:https://20240421-3video.peatix.com

(配信期間2025年6月17日まで)


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