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開催報告:「特別」ではないユニバーサルデザイン保育 ~気になる子もクラス全体も伸びる 見たてと手だて~(2025/11/16)


2025年11月16日 『「特別」ではないユニバーサルデザイン保育

~気になる子もクラス全体も伸びる 見たてと手だて~』を開催しました。


発達に気がかりのある子どもへの理解と具体的な支援方法について、言語聴覚士として自治体や保育施設で子どもの言語や発達に関する相談・支援に携わるほか、企業や学校の外部顧問、巡回アドバイザー、研修会講師など幅広く活躍されている藤森めぐみ先生をお迎えし、ご講演いただきました。



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当日は、保育園・幼稚園・こども園の先生方をはじめ、言語聴覚士・公認心理師・臨床心理士など多職種の方々が参加されました。

質疑応答では、それぞれの立場から現場での見立てや支援方法、関係機関との連携に関する質問が寄せられ、藤森先生からは保育・福祉・教育機関での豊富な臨床経験に基づく具体的なアドバイスをいただくことができました。



講座の内容を少しご紹介させていただきます。

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 この講座では、感覚統合インリアルアプローチペアレントトレーニングなどの理論を基盤に、「切り替えが苦手」「指示が入りにくい」「集団参加が難しい」などの困り感を抱える子どもがクラスにいる場合でも、クラス全体が伸びるための具体的な支援方法についてお話してくださいました。

 さらに、脳機能の観点から、偏桃体が「楽しい」と感じることで生まれる2倍3倍の相乗効果“重みづけ”など、子どもの理解に役立つ理論的な背景についてもわかりやすくご説明をいただきました。

 そして、どのようにクラス全体で対応できるかについても、3つの困り感 ①切り替えが苦手 ②指示が入りにくい ③集団活動が苦手、に対する見立てと具体的な手だてが紹介されました。


 また、「発達障がい」と「定型発達」を障害の有無で分けて捉えるのではなく、発達の凸凹の程度や特性の種類、特性の数の多さなどを“連続体”として捉える視点が紹介されました。これにより、まったく困り感のない“定型発達の真ん中”の子どもは実は少なく、すべての子どもにとって有効な支援、藤森先生が繰り返し強調された「全体にとっても有効な」ユニバーサルデザインの支援が必要であるという提案が、非常に印象的でした。


 全体を通して、本講座は、日々の実践を見直し、より包括的で効果的な支援の在り方を考える貴重な機会となりました。発達の多様性を前提とした「ユニバーサルデザイン保育」の視点は、特定の子どもだけでなく、すべての子どもにとって安心できる環境づくりの重要性を再認識させてくれるものでした。理論と実践をつなぐ具体的な手だての数々は、明日からの支援にすぐに活かせる内容であり、参加者一人ひとりの専門性を深める学びとなりました。


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当講座は、録画配信を予定しております。

準備が整い次第、ご案内をさせていただきます。


保育の現場を担当される先生方の一助となれましたら幸いです。


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